私がお弁当持参でないのを見つけた社長が「蕎麦を食べに行こう」と誘います。「お煮こじ蕎麦?」「ううん、今日はその営業」だそうで。
社長は佐久商工会議所の地域資源開発委員になっていて、その委員会は地域資源を活用したブランド創出を図っているのである。
安養寺味噌を使った安養寺ラーメンは市内に定着し、私の知っているラーメン屋さんは「おかげさまで!!」とニコニコ顔である。その2番煎じならぬ、ラーメンの次は蕎麦となったものである。
ここ1年以上の研究を経て「お煮こじ+蕎麦」になった。
「お煮こじ」とは佐久の郷土食で、冠婚葬祭時によく作られたものです。基本は大根・人参・じやがいもを油で炒めて醤油と砂糖で味を付けたもの。
そこにプラスして竹輪やきのこ・油揚げ・凍み豆腐・こんにゃく・肉などでその時々に変化を付けています。
あまりにもローカルな料理で、確かに佐久独自の郷土料理といったら、これしか思い浮かばないと言えばまことにその通りなのです。
それと蕎麦は、「エッ」という反応を誰もが持ったことでしょう。でも新しいことに挑戦するには既成観念は邪魔です。
プロがどんな形で挑戦してくるのか楽しみに待っていました。
そして市内六軒のお店が賛同してメニューに取り入れたのでした。
それでも一軒でも数を増やしたいので、「一緒に行こう」と誘われた訳です。
訪れたお店はあいにくお休みでした。それならば「蕎麦処いろは」にいってみようと、本日私の煮こじ蕎麦デビューでした。
社長は温かいお蕎麦、私は冷たいお蕎麦をオーダー。
冷たいお蕎麦に煮こじとネギと揚げ玉がトッピングされています。その上にたれをぶっかけていただきます。
まさかにプロの煮こじでした。大根・人参・シイタケ・鶏肉が程よい味付けです。
社長の温かいほうも味見させてもらいましたが、私は冷たいほうがより好きな感じです。
煮こじは故郷を離れた方にとっては、懐かしい味だと思うのです。
お通しでもいただけると思いますので、佐久に来たら是非お試しください。
核家族になっておふくろの味が継承されにくくなってきましたから、こんなプロジェクトもいいもんですね。
「エッ」なんて思わず挑戦してみてください。
「蕎麦処いろは」さんは佐久市役所の東道路を挟んだちょっと南側です。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家