そりゃあ松茸をいただけばにっこりしちゃうけど、所詮は高値の花。なんたって自分で採れないもの。
「りこぼう」正式名はハナイグチという。「りこぼう」だったり「じこぼう」と佐久では呼ばれて、そのつるつるした食感と味でとても喜ばれるキノコである。
子供の頃はキノコ採りにしばしばいったものである。ただ毒キノコが圧倒的に多い。しかしこのキノコだけは間違うことのないキノコである、そこがうれしい。
笠は茶色でつるつる、裏はきれいな黄色。
茹でて大根オロシでいただくか、うどんの具材にする。塩湯でして保存もしておける。
何十年も自分で採りにいくこともなく・・・そのせいで食べる機会がないのかと思っていたら意外な現実を知ったのでした。
山が荒れているのと幼木が少ないせいかもしれないと。
道理でと納得しました。
「ハナイグチの増殖に向けた取組」として「長野の林業」の№275 平成24年12月10日長野の林業編集委員会発行の小冊子に載っていました。
この手の冊子としてはとっても読みやすく、中身もなかなかです。
では簡単に引用させていただきます。
長野県を代表する樹種であるカラマツは民有林の人工林に占める割合が52%。このカラマツの根と共生関係を作る菌根性のキノコのひとつに「ハナイグチ」つまり「りこぼう」があるのだという。
(子供の頃植林したばかりの・・とは言っても10年は経った位のカラマツ林で列をなして生えているりこぼう見たもの)
ハイナグチは胞子を散布することで比較的簡単に林内において増殖することが研究成果で明らかになっているのだそうです。
長野県林業総合センターでは「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」の中で信州大学農学部と共同して、佐久市に大規模な試験地を設けて、ハナイグチの増殖のための環境整備法の実証試験をすすめているとのこと。
先ず除伐、林床植生の刈り払い等の整備を実施し、秋に細かく砕いたハナイグチをそのまま撒く胞子散布を行っているといいます。
この胞子散布を2~3年継続することによりその効果が現れてくるものと考えられるそうです。
ご自分の山でも試してみてはいかがでしょうか、と結ばれていました。
なるほど、いいんじゃあな~い!!
あの「りこぼう」が鱈腹食べれるなら、と思ったのでした。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家