敷地の空いているところに雑草が生えて困る、とのことでご連絡をいただきました。
最初はタイルを敷くかコンクリートを打つか迷われていましたが、車が上がるところなのでタイルを敷くにしてもその下はコンクリートを打つ必要があります。
つまり、コンクリートを打つところまでは同じで、それの+αとしてタイルを敷くかどうかになります、とご説明。
そうなると当たり前ですが、タイルを敷いた方がただ単にコンクリートを打つのに比べると金額はかかります。
もちろんタイルを敷くことによって見た目は良くなりますが、当初の目的は雑草対策です。
迷われていたのでタイルを敷く場合とコンクリートを打つだけの場合の両方の見積りをお出しすることも厭わなかったのですが、予算もあるのでコンクリートだけの見積りでいいとのことでした。
「コンクリートだけ」と言ってもコンクリートを打つのにも色々な工事が必要となります。
ただ単に地面の上にコンクリートを流し込んだらいいというわけではありませんので、その辺りを今回はご説明できたらと思います。
また、昨今の物価上昇はコンクリートも例外ではありません。毎年のように金額が上がっていて、2,3年前の金額で同じ内容の工事は不可能となってきています。企業努力とか言えるレベルではありません。
何事もやろうと思ったら即決できる方がお得です。
ここから工事内容をご説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【スキトリ・整地】
場所や用途にもよりますが通常コンクリートの厚みは10㎝程度が多いです。
今の土の上に10㎝の厚みがプラスしたら車はタイヤを乗り上げることになりますし、そのままではダメなことはわかるかと思います。
そこでまずはその10㎝分の土を掘ってあげる必要があります。それを「スキトリ」と言います。
これも時と場合によりますが、重機(ユンボ)が入るスペースがある時は重機で掘ります。
家の裏側とかどうしても無理な場合はスコップを使って人力で掘っていきます。
堀った土は処分する必要がありますので、人力ですとその運び出すのも一苦労です。
文明の利器とでも言いましょうか、ユンボを使えると使えないとでは雲泥の差があります。
その残土を処分する費用もかかります。みなさん想像されている以上に土が出ます。
【クラッシャーラン(RC)敷き】
これも職人ならではの感覚と言っていいのかもしれませんが、ユンボで掘った時に感覚的にそこの地の固さがわかります。
仮に地が柔らかいところにそのままコンクリートを流し込んでしまうと上のコンクリートは確かに固いですが、その下が緩いので長年車を乗り降りしているとコンクリート自体が下がってしまうことになります。
大げさに言うと地盤沈下とでも言いましょうか。
それを防ぐためにクラッシャーラン(RC)と呼ばれる、いわゆるコンクリートのガラを細かくしたようなものを敷きます。
これはただ単に敷くだけでは何にもならないので5~10㎝ほど敷いたRCを上からランマプレートと呼ばれる転圧機でダダダダッダダダダッと抑えていきます。
こうすることによって地面を固くします。
これだけで充分固いですが、いかんせんこれは石のようなコンクリートのガラなので1つ1つはバラバラです。
以前これを仕上げにしてほしいと依頼されたことがありましたが、長年の雨風にさらされるとそれぞれが離れていって石を置いてるだけの状態になってしまいます。
【ワイヤーメッシュ敷き・枡の高さ調整】
ここまで来るともうコンクリートを流し込みたくなりますよね。
まだあと2,3工程必要になりますので、もう少しだけ待ってください。
この碁盤の目のようなものが鉄製のワイヤーメッシュです。
これを敷く敷かないというのも時と場合によります。
コンクリートはそれそのもので充分強いのですが、鉄を絡めることによってその強度が増します。
よく一般的にRC造の建物と言われますが「鉄筋(によって強化された)コンクリート造」ということです。
「コンクリート造」だけでなく、頭に「鉄筋」と付いてますよね。これがそういうことになります。
つまり先程の時と場合というのは、人が歩くだけのところは入れないこともありますが、車が乗るところは絶対にワイヤーメッシュが必要です。
これを入れていないコンクリートの上に車など重量のあるものが乗るとヒビ割れてきます。必ずそうなるというわけではないですが、確率の問題です。
あと、この緑色の丸だったり四角だったりするもの。
これは汚水や雨水の枡(丸)だったり水道のメーター(四角)です。
これもあらかじめ今度打つコンクリートの高さにそれぞれ合わせる必要があります。
コンクリートは真直ぐなのに丸いのがポコッと出てたり、逆にそこだけ陥没してたりしたらおかしいですよね。これもなかなかの技が必要です。
この緑になっているのはコンクリートを流し込んだ時にフタが汚れてしまわないように表面を養生テープでまさに養生しているためです。
テープを貼ってあるものは高さ調整が終わってますよ。という印にもなります。
【コンクリート流し込み・抑え】
ここまで準備をしてやっとコンクリートを流し込む作業です。
生コン車を横付けしてネコ(一輪車)で奥の方から順番にコンクリートを運んでいきます。これがなかなかの重労働...。
コンクリートを入れていった先から左官職人が均一にしていってくれます。
鏝で抑えるのも一度や二度だけでなく、何度も何度も抑えていって初めて完成します。
気温や面積にもよりますが、朝から初めておやつの時間か晩ごはんの時間ぐらいまで均していきます。
またこれも時期にもよりますが、このコンクリートを流し込んだ日から3~10日ほどすると固まって上にあがることができます。
ご近所の環境によってはその間に近くの猫ちゃんが上がったりして足跡ができることもありますが、それは事前にお伝えして了承していただきます。
まぁそれもご愛敬と捉えていただけたらうれしいですね。
冒頭でもお伝えしたようによく簡単に一言で「コンクリートを打つ」とは言いますが、これだけの工程があるんです。
金額が張るのもご納得いただけるかと思います。
またこの工程の随所に「時と場合による」のようにエクスキューズ的な文言を付けていますが、正にその通りで必要なものもあれば要らないものもあったりと、現場ごとにやり方は変わります。
また、雑草が生えてこないように、というだけなら防草シートを敷いたり砂利を敷いたりする方が安価です。
今回のようにコンクリートを打設するのは決して安くはないですが、雑草対策だけではなく駐車場にもするということではベストな選択だったと思います。
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