京都の鱧料理は、祇園などの高級料亭などで取り扱われることから、とても高価なイメージがありますが、 京都市内ではわりと生活に密着した食材で、スーパーでも鱧の湯引きなどは広く販売されています。
特に祇園祭りの暑い季節に長いものを食べると精力が付くとして、鰻同様食べる習慣が出来たそうです。 実際、淡白な味の鱧には、良質なタンパク質、ビタミンA、カルシウム、コラーゲンが多く含まれ疲労回復、老化予防、 に効果があります。
ただ、鱧は長くて硬い小骨が非常に多く、食べるには(骨切り)という下処理が必要です。これは 腹側から開いた鱧の身に皮を切らないように細かい切り込みを入れて小骨を切断する技法で下手に 包丁を入れると身が潰れてしまい、味、食感が失われる為に一般の家庭では調理が難しく熟練が必要とされます。
京都の祇園には、繊細な作業を必要とする京料理の料理人が多く、(骨きり)まさに職人の腕の見せ所とも言えます。 鰻やあなごに比べ関西以外の地域で余りポピュラーにならない理由は調理が難しいことと言われています。
徳島の鱧は、あまり有名ではありませんがとても品質が良くとても美味しいです。
食べ方は、骨きりを施した鱧を熱湯に通すと反り返って白い花のように開きます。
これを湯引きと言い、 梅肉やからし味噌で食べます。あとはお造り、天ぷら、お寿司、お吸い物、から揚げ、土瓶むしなどでいただきます。淡白なくせのない味は初夏にぴったりの料理と言えます。
ちなみに天然国産鱧の漁獲量は徳島県が全国でもトップクラスに位置しています。特に徳島の鱧は、淡路島の鱧と並び 高級鱧とし珍重されています。 徳島にも小松島を中心に何店舗か鱧料理店はありますが、値段も手頃でとても美味しく食べることが出来ます。
皆様も今が一番の旬の鱧料理を徳島に是非食べに行ってみて下さい。
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