木造住宅の要「金物(かなもの)」
上棟も無事終わり、建物が組みあがりました。
今回は、"建物の基礎と木構造"や、"木構造と木構造"をつなぐ「金物」についてご紹介したいと思います!
木造住宅の金物は、何かと何かをただつないでいるだけではありません。地震の揺れに対して「ねばり」を出すといった重要な役割があるんです。
そのため、「金物」は家の耐久性・耐震性にも影響するんですよ。
※「ねばり」・・・建物で言われる「ねばり」とは、柳のように地震力を受け流せる能力のこと
さて、M様邸の現場に到着。
いざ組まれている躯体の細部を見てみると、いろいろな種類の金物が使われていることに気付きます。
金物は使用箇所や使用方法によって、どのような種類をどこに使うのか決められているんですよ。(※これには2000年の建築基準法改正が大きく影響しています。ブログ最後に少し書きました)
この後行われる中間検査でも重要なポイントとしてしっかりチェックされるのです。
では、主要な金物をいくつかご紹介します。
「ホールダウン金物」
「筋交い用金物(筋交いプレート)」
筋交いと柱を固定する金物です。
※筋交い(すじかい)・・・建物の耐久性を高める斜め方向の部材。わかりやすいのが、柱と柱の間に入っている"ばってん"のもの(筋交いの中では"たすき掛け"と言います)
「柱頭柱脚金物(ちゅうとうちゅうきゃくかなもの)」←早口言葉・・・ではない
柱と土台、柱と梁をつなげます
「羽子板ボルト」
梁同士をつなげる金物
「火打ち金物(火打ち梁)」
M様邸では、屋根を支える骨組み(小屋組み)に取り付けています。
地震の際に軸組がゆがむのを抑えてくれます。
< 2000年の法改正で金物の指定がはじめて明確化 >
ブログの前半、金物を紹介する前に少し書きましたが、金物の取り扱いに大きく影響を与えた出来事が、2000年の建築基準法改正です。
この改正で、どの金物を何処に取り付けるのか明確に指定され、使用数も大幅に増えました。それに伴い、耐震性能も大幅に向上しています。
(それまでは、接合部が釘打ち程度だったり、地震で柱が抜けて(!)しまった被害も多数ありました)
残念ですが、法改正後の新しい規定内容を把握していない業者も稀にいると耳にすることがあります。もちろん弊社は信頼のおける大工さんとお仕事させていただいていますので、ご安心くださいね!
でもまだ心配・・なんて方は、過去の施工ブログを読んでもらえると安心していただけると思いますよ(と、ちゃっかり宣伝)
それでは次回もお楽しみに~!