約20種類の古い木材を集めて作ったキッチンカウンター
キッチンカウンターの腰壁は、約20種類の古い木材を集めてきてパッチワーク風に取り付けました。奥の扉は、ご両親の部屋。日当たりの良さや、トイレへの導線など、日々の暮らしを考えてプランニングしました。
キッチン
美しいパープル色のキッチン扉がナチュラルな室内にマッチしている。キッチン天井は松ベニヤ化粧根太張。左側の袖壁はアクセントとしてモスグリーンの壁紙を貼りました。キッチンの上はロフトになっています。
洋室
造作家具の机に座ると雑木林が広がる風景が楽しめます。使いやすいクローゼットもつけました。
バリアフリー対応の玄関と、黒い板貼風なサイディングを使った外観
外観は、緑豊かな景観に映えるよう、木目の出た黒い板貼風なサイディングを採用。屋根は強くて美しい新素材瓦ルーガを使用しました。玄関の位置は、車庫の近くに変更し、スロープをつけました。玄関ドアは、引き戸仕様を選んでバリアフリーに対応しました。ブルーのドアがアクセントになっています。
脱衣洗面室
椅子を使用して使えるタイプの洗面台は、引き出し収納もついています。すっきりと使い易い空間になりました。さらに、ご両親は要介護のため、洗面所に相当な介護用品を収納できる棚を設置しました。
バリアフリー対応のトイレ
車いすでも使いやすいよう十分なスペースをとりました。固定手すりや可動手すりをふんだんに使い、手前には多目的流しのタンクがあります。便座横には、「はね上げ手すり」も設置。はね上げ手すりは、介助が必要な場合に、手すりをはね上げる事で介助スペースを確保する事が出来る手すりです。
担当者コメント
LIXILリフォームショップライファ立川 一級建築士 蓑田 常弘
自然の中にある築42年の平屋建住宅を最初みた時は、まるで別荘地のような環境なのに、普通のありきたりの家が不釣り合いだなという印象でした。 南側は崖地になっており6Mも高低差がありました。下は多摩川の源流のようなくねくねとした水が流れていました。 ご両親とも要介護で高齢、お嬢様がお仕事されながら介護されているという状況でしたので、昼間はご両親がお2人で可能な限り生活できるようにバリアフリーや動線の少ない戻間取り、そしてどこかの部分に古い家の面影を感じられるような所を残すこと、そして陽当たりと風通しをよくすること、外観は周囲の緑に溶け込むような雰囲気を持たせることが大まかなイメージでした。 お施主様のご協力を得ながら、結果的には外観はしっかりとした自己主張をしながらも、環境に溶け込んだ佇まいの家になりました。 内部は屋根の傾斜をそのまま室内の天井に取り込んで吹抜に古い梁材の露出した、懐の深いインテリアに仕上がったと思っています。