店長の田口です。
年末も近づき気温もどんどん下がっています。お風呂やお鍋が恋しい季節です。
この季節になると、特にお鍋をしている食卓に近い窓などは結露してサッシのまわりが「びしょびしょ」なんてことが多くなってきます。
そのまま放置しているとカビが生えたり窓枠やクロスを傷めてしまいます。対策を考えたほうが賢明です。
結露はサッシなど屋外の冷たい空気に冷やされた部分に、湿気を多く含んだ室内の暖かい空気が触れることによって発生します。
ですので対策としては3つ。
1)屋外の冷気が室内のサッシや壁に伝わらないようにする。(正確には室内の暖かい空気が外に逃げないようにする。)
2)部屋の温度を低くする。
3)室内の湿度を下げる。
ですが、1)以外はそうもいきませんよね。
部屋の温度を下げてしまっては寒くていられません。また、湿度を下げすぎると「のど」を痛めたりインフルエンザなどの感染を拡げる恐れがあります。
結露対策の温度・湿度と健康に良い温度・湿度、さらには省エネについては一度分けて検討し、そのうえで総合的に均衡点を見つける必要があります。
まずは健康面からいろいろな記事を見てみるとインフルエンザが感染しにくい環境は「温度20℃以上、湿度50~60%」というのが一般的な説のようです。
一方、結露の観点からみると「温度20℃、湿度50%」の空気が屋外の冷気で冷やされた窓で結露する窓の温度は9℃以下です。
茨城県の県西地区でも真冬には外気温が0℃に近いことは時々あります。対策をしていない窓はあっという間に結露してしまいます。
逆に0℃の窓に触れても結露しない条件は温度20℃の場合は湿度26%くらい。
湿度が50%の場合は温度9℃くらいです。
湿度26%では「のど」がヒリヒリしてしまいますし温度9℃では震えてしまいます。チョッと現実的ではありません。
健康面と結露対策の面の妥協点としては部屋の環境は「温度20℃、湿度50%」を上回らないようにする。
窓が9℃より冷たくならないようにする。と結露が起こりにくくなります。
窓にシャッターや雨戸がある場合はしっかり占めてカーテンは閉めない。
なぜカーテンを閉めないかというとカーテンにさえぎられて部屋の温度が窓に伝わらず窓が冷えてしまうからです。
省エネの観点からはいただけない方法ですが結露を防止するためには有効です。
感染症予防などの健康面と結露対策に加え、省エネを同時に実現するためにはそれなりの投資が必要になります。
まずは窓の性能向上です。今あるサッシの内側に樹脂製の内窓を設置するかサッシそのものを断熱性能の高いものに交換します。
ガラスとガラスの間に「空気層」を挟んだペアガラスはガラスが1枚の時と比べると格段に熱の損失が減ります。
樹脂製の内窓は枠の熱損失も抑えられます。壁を壊すなどの大規模な工事の必要もありませんので手軽に窓まわりの断熱・結露対策ができます。
床や壁が冷たく感じるのを改善してお部屋の断熱性能を向上させようとする場合は床・壁・天井の断熱材を見直す必要があります。
床・壁・天井の断熱性能を向上させる工事方法は簡易的なものから内装下地を剥がして土台や柱だけの状態にして断熱材を施工する本格的なものまであります。
様々な工事方法が開発されていますがいずれにしてもそれなりの費用が掛かります。
ひとつひとつを詳しくご説明するにはブログには書ききれないので
詳しく知りたいという方は田口までご連絡ください。
そしてもう一つ重要な注意点は壁の断熱性能を高めるときは室内の湿度をもった空気が壁の中に入らないようにしなければならないということ。
断熱性能が高い壁の中に湿った空気が入ってしまうと壁の中で結露が起こり土台や柱を腐らせてしまいます。
目に見える範囲で起こる窓の結露より危険な「壁体内結露」です。
これについても今回は書ききれませんので詳しく知りたいという方は田口までお問合せください。
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